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最高裁判所第三小法廷 昭和38年(ク)60号 決定 1963年3月27日

主文

本件を東京高等裁判所に移送する。

理由

右抗告人らから当裁判所あてに提出された抗告状の記載には、原決定を違憲として特別抗告を申し立てる旨の記載があるが、その抗告理由の実質は、原決定に信託法の解釈適用を誤つた違法があるとの主張に帰する。ところで、非訟事件手続法七一条ノ五の二項により不服申立が禁止されるのは信託財産の管理人の選任または改任の裁判のみであつて、信託法四八条にいう「其ノ他必要ナル処分ヲ命ズル」場合はこれにあたらないものと解すべく、本件抗告は前記必要処分に関する決定に対する通常の抗告申立と認められる。よつて、民事訴訟法三〇条を適用し、本件を管轄裁判所に移送すべきものとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 横田正俊 裁判官 河村又介 裁判官 垂水克己 裁判官 石坂修一 裁判官 五鬼上堅磐)

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